今回の記事ではそんなコロナ禍であっても急成長、コロナ禍だからこそ急成長している業界についてご紹介します。また、逆境でも利益を生み出し続ける業界にはどのような特徴があるのかについても解説します。

そこから事業を再び軌道に乗せる活路が見えてくるかもしれません。

なお、記事の最後にはコロナ禍で衰退してしまった業界などについてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

「コロナ禍」という逆境でも急成長した企業

コロナ禍は多くの会社や企業にとって大損失を出したのは間違いありません。

しかし、それでも日本経済が転覆していない背景には、コロナ禍において急成長した会社や企業が関係しています。事実、逆境でも発想を転換することで急成長へと導けることも多く、そこは経営者の手腕によって左右されます。

ここではコロナ禍であっても特に急成長を遂げた会社や企業を紹介するので、1つずつその特徴を見ていきましょう。

1.BASE(ECプラットフォーム)

コロナ禍でもCMなどを頻繁に打ち、急成長を遂げているのがECプラットフォームのBASEです。

BASEは誰でも簡単にネットショップが始められるプラットフォームであり、コロナ禍における感染拡大の休業要請によりそれぞれの店舗からの需要が急速に高まりました。

それにより2020年3月~4月にかけての流通総額の伸びが2倍になったとされています。

事実、2019年に80万店舗だった加盟店は2020年7月までで110万店舗を突破したと記録されています。

それだけではなく、今後もさらに加盟店が増えていくと予測されるでしょう。

まさしくBASEはニューノーマルにおけるもっとも合理的なサービスの1つとなったわけです。

特に食品通販へ参入した飲食店の数は前年比の10倍になったそうです。

アフターコロナではより食品通販が拡大すると予測されるため、今後の伸びにはさらに期待できます。

これらはオンラインかつシンプル、それでいてコロナで苦しむ事業者の支援などのニーズにうまくハマった形だと言えるでしょう。

2.アダストリア(アパレル)

コロナ禍において発想の転換が求められる中、アパレル業界のアダストリアは実店舗の売上こそ落ちたものの、2020年3月~5月にかけてEC売上高は134億円(前年比同期比25.7%)に成長しています。

これら売上に占めるEC比率は42.8%であり、コロナ禍を機にEC化で一気に急成長したのが特徴です。

アダストリアはSNS戦略もうまくいき、特にInstagramを使ったLIVE配信や投稿などがECの売上増に貢献したと考えられます。これら投稿コンテンツからの流入で売上がアップしたことをはじめ、SNSのリアルタイムでコメントに回答するというオンライン接客も成功の要因となっています。

今後のアパレル業界は店舗の売上よりECの売上が重視される時代となりそうです。「自宅で買える」が主流の時代にうまく乗れるか命運を分かつでしょう。

3.Zoom(ビデオ会議)

コロナ禍によりリモートワークをする方が増えたことにより、急成長を遂げたのがZoomです。

これらビデオ会議のツールは古くからあったものの、コロナ禍を機に急速な成長を遂げました。特にZoomの1日の会議参加者は2019年12月時点で1000万人程度でしたが、2020年4月時点では30倍の3億人になったと記録されています。

時価総額も2020年6月には689億ドル(約7兆円)に到達し、2020年10月29日には時価総額1,400億ドル(約14兆6,400億円)になるなど、まさに急成長という名に相応しい成長を遂げています。

これは石油大手として知られるエクソンモービルの1,370億ドルを上回った形です。

コロナ禍で航空会社の売上が激減した分、それに取って代わって成長したのがZoomです。

Zoomは仕組みが簡単で誰でも簡単に使用できることから、GoogleやMicrosoftなどの強力なオンラインミーティングサービスにも対抗できたと考えられます。

人の移動が制限されるコロナ禍において、パソコンやスマホさえあれば特に設定もなく利用可能というのは大きなポイントと言えるでしょう。Zoomはデジタル領域で展開した分野だけに、急激な需要増加に対して対応できたのも大きな飛躍に繋がったと予測できます。

なぜコロナ禍でも急成長できたか

すでに伝えるべきことは前述してしまったのですが、なぜBASEやアダストリアやZoomはコロナ禍でも急成長できたのでしょうか?

これらに共通することはただ1つ、すべてオンラインでできるという点です。ビフォーコロナにおいては人と人が直接関わることによってビジネスが成り立つことも多かった半面、無駄も多いのが実情でした。

しかし、オンラインでできるサービスの多くは人と対面する必要がなく、面倒な会話も手間のかかる書類も必要ありません。

BASEはECプラットフォームとして、アダストリアもECとして、Zoomにおいてはミーティングツールとしてそれぞれ成長しています。これらはすべてオンラインで済ませられ、ユーザーの多くはパソコンやスマホから申し込み可能です。

それだけではなく時代のニーズがうまくマッチしたことも相まって、急成長に繋がったと予測できます。単に運が良かったというよりは時代の潮流がオフラインからオンラインへと変遷する中で、それらの機会をうまく活用した感覚に近いと言えるでしょう。それが結果として大きな利益を生み出すに至ったのではないでしょうか。

コロナ禍でも利益を出す企業の特徴

業界割合
商品小売39.6%
放送17.6%
飲食料品小売15.4%
飲食料品・飼料製造12.4%
教育サービス11.5%

出典:https://cheercareer.jp/ip_blogs/article/601

コロナ禍でも利益を出している企業、つまりコロナ禍がプラスの影響であったと感じている業界は上記のようなものがあります。

これらを見る限り、巣籠り需要にうまく乗っかることのできた業界はコロナ禍でも利益を出せていると言えるでしょう。特に商品小売や飲食料品小売などは自宅で過ごす人が多くなった分、需要も拡大しています。

しかし、そのニーズの変化を察知できずに何もしていない会社や企業は成長できていないのが特徴です。

その反面、通販などのECを通してユーザーに直接訴求できる業界については利益を出せています。放送や教育などでもオンラインでユーザーに直接訴求できるものが増え、業界全体の成長に繋がっていると予測できます。

コロナで衰退した企業の特徴

業界割合
旅館・ホテル94.3%
飲食店91.9%
パルプ・紙・紙加工品製造91.7%
繊維・繊維製品・服飾品小売90.3%
広告関連90.3%

出典:https://cheercareer.jp/ip_blogs/article/601

逆にコロナ禍で利益のほとんど失った企業、つまりコロナ禍がマイナスの影響であったと感じている業界は上記のようなものがあります。

これらの業界はユーザーに直接訴求できない業界が多いです。

特に旅館・ホテルや飲食店などは、ユーザーが訪れないことには利用できないシステムとなっています。しかし、旅館・ホテルはどうにもユーザーが来てくれないことには始まりませんが、飲食店などはオンラインやテイクアウトなどで対応も可能です。逆にそれらに対応できていない店舗はコロナ禍に関係なく成長が止まってしまっています。

なお、パルプや紙や繊維の業界が衰退している背景には、リモートワークの拡大が影響していると考えられます。昨今はデータでやり取りすることが多くなった分、今後もパルプや紙や繊維の需要は減っていくことが考えられます。

アフターコロナまで乗り切る企業をつくるためには

コロナ禍でもがき苦しむ会社や企業が増え、近年では倒産も珍しいことではありません。しかし、何とか持ちこたえている企業の中には、コロナ禍だからこその活路を見出だし、新たなニューノーマルに合わせて成長しているところもあります。

コロナ禍で時代は確実に変わってしまったものの、逆にこの状況を活かすことができれば成長できるチャンスも眠っているということです。現状は厳しい状況が続きますが、新たな視点を取り入れることで事業が思わぬ爆発を見せることもあるかもしれません。