大企業はもちろん中小企業などでは特に現場と経営者で考え方に相違が生まれやすいです。
結果、現場で働く人は「経営陣は何もわかっていない」という気持ちになりやすいですし、一方で経営者は「現場がうまく回らない」と考えてしまいがちです。
これらはマネジメントの摩擦によって生まれます。そのため、経営陣は現場の立場を考えてマネジメントしていくことが最重要課題となるでしょう。
そこで、今回は経営者が現場をより良くするためのマネジメント方法について解説します。
目次
1.現場が求めるマネジメントと経営陣が行うマネジメントの違い
マネジメントについて考える際、まず気をつけておきたいのが「現場が求めるマネジメント」と「経営陣が行うマネジメント」によって発生する摩擦です。
双方のマネジメントに対する考え方は以下の項目のような違いがあると思います。
1-1.現場が求めるマネジメント
・裁量権(ある程度まかせてほしい)
・やりがいと納得がある仕事がしたい
まず、現場が求めるのは自分たちである程度決められる裁量権です。
現場で働く人は現場を見ていない経営陣にあれこれと指示されると、かえって動きづらくなります。普段からやっているルーティンもありますし、自分たちのやり方というものがあるのです。
また、仕事を任せられることで自ら勉強をするようになり、成果を出しやすくなる傾向にあります。そのため、ある程度は現場に任せてあげることが重要となるでしょう。
その他、現場はやりがいのある仕事を求める傾向にあります。誰でもできるような仕事を毎日365日任されるのでは一向に成長がありません。
結果、やりがいも見出せず、仕事に納得できないまま働くことになってしまいます。
つまり、やりがいを持って挑めるかどうかで成果が変わるということです。特にやりがいのある仕事なら自らアイデアなども生まれやすく、意見交換も活発になります。それが現場の空気すらも変えてくれるのです。
1-2.経営陣が行うマネジメント
・効率化
・とにかく利益を出したい
一方で、経営陣が求めるのは効率化です。
どの仕事も効率が上がれば生産性が高まり、利益追求も加速します。結果、成長性がさらに高まり、組織としての拡大も見込めます。経営陣はいかに限りある労働力で最大限の成果を生み出せるかを考えるため、どうしても働く人の気持ちよりも結果を優先する傾向にあるわけです。
そこはいかに効率化を目指しながら、働く人と良好な関係を築けるかが重要となるでしょう。
また、経営陣はとにもかくにも利益を求めています。
組織として利益を出さないことには経営を続けられません。
だからこそ、経営陣は何よりも優先して利益を求めるのです。それが結果として働く人の生活を犠牲にしてしまうこともあるため、雇用する立場と雇用される立場の両面を見なくてはなりません。
2.現場を知る経営者が必ずやっているマネジメントとは?
現場を知る経営者には必ずやっている共通点があります。ここからは現場により重きを置いている経営陣がやっているマネジメントについて簡単にまとめます。
2-1.現場に赴き社員の意見を吸い上げている
優秀な経営者というのは自ら現場に赴き、社員の意見に耳を傾けています。
そうすることで現場が抱えている意見を吸い上げられ、現場が今何を求めているのかを把握できるのです。当然ながら、ただ指示するより、一度現場に赴いた方が気づきも多くなります。優秀な経営者ほど、それら現場で働く人材を実際に自分の目で見ているのです。
自分の目で見ることで現場に何が足りないのかも見えてきますし、何より働く人たちの気持ちに寄り添った提案ができるようになります。
結局のところ組織も人と人とが作り出すものなので、意見を聞いてくれない経営者に心を開く社員などいません。また、現場に出向かないと最適な人材が配置されているかどうかも判断できないため、そういった意味でも現場の視察はとても重要です。
2-2.命令ではなく従業員を「やろう」という気持ちにさせている
誰もがそうであるように「やっておけ」と命令されれば、嫌な気持ちになります。
大切なのは単に命令するのではなく「やろう」という気持ちにさせることです。ここで大切なのはいくら丁寧な表現であっても「やっておいてください」と丸投げするのはNGということです。
大切なのは現場で働く人たち自身に考えさせるということです。ただ言われたことをするだけなら、アルバイトやパートでもできます。しかし、働く以上は雇用形態に限らず「なぜこの仕事が必要なのか」を考えるべきなのです。
だからこそ、命令ではなく「やろう」という気持ちにさせることが重要です。そうすることで社員や人材が自ら「お客様のためにやろう」「社会のためにやろう」と考えるようになります。そういった自立心とも呼べるものを育むことも大切です。
まずは現場の声を聞くこと
現場第一に考えることは理想と言えます。しかし、そうは言っても経営者にとって現場の状況はわかりづらいです。だからこそ、現場に寄り添って意見を聞き、働く人たちの声を取り入れながら組織全体を成長させていくことが大切です。
とはいえ、現場第一に考えるということは非常に難しいことです。
自社だけでは気を遣って発言できない社員や人材も多いため、立ち止まってしまったというということも当然ながら起こりうるでしょう。
そういった場合は第三者に相談することで解決することもあります。別視点からの声も取り入れれば、より経営改善への糸口が見えてくるはずです。
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