エンディング産業展2025視察

〜家族経営の葬儀社が今、取り組むべき3つの未来戦略〜

2025年に開催されたエンディング産業展では、葬儀業界の枠を超えた多様なサービスや技術が紹介され、業界の未来像が描かれていました。家族経営の葬儀社様の経営支援に携わる立場から、特に注目すべき3つのテーマに焦点を当てて視察を行い、感想をまとめてみました。業界の最新動向とともに、家族経営の葬儀社が今後取り組むべき具体的な方向性をご提案します。


1. 葬儀後支援の拡充:地域密着型サービスの可能性

近年、ご葬儀後のご遺族が直面する課題は多岐にわたっています。法要までのサポートに加え、介護・健康・住まい・相続・生活支援など、日常生活に関わる相談が増加傾向にあります。展示会では、こうした「その後の暮らし」に寄り添う支援サービスが複数紹介されており、葬儀社が地域の課題解決に貢献する新たな役割を担う可能性が示されました。

家族経営の葬儀社にとっては、地域との信頼関係を活かし、生活支援事業者や福祉団体と連携することで、葬儀後の継続的な接点を生み出すことができます。例えば、空き家の相談窓口や高齢者向けの見守りサービス、相続手続きの案内などを情報提供するだけでも、顧客満足度の向上につながります。

また、こうした支援を通じて本業外収益を得るモデルも提案されており、紹介料や業務提携による収益化が可能です。施設内イベントやチラシの同封など、無理なく始められる取り組みも多く、家族経営の葬儀社にとって現実的な選択肢となります。


2. 業務のデジタル化:現場の負担軽減と収益機会の拡大

葬儀現場では、供花や香典の受発注、参列者情報の管理、経理処理など、煩雑な業務が多く存在します。今回の展示会では、これらの業務をクラウド上で一元管理し、自動化する仕組みが複数紹介されました。

特に、訃報のデジタル配信やオンライン注文機能、記帳のタブレット化など、現場の負担を軽減しながら収益機会を拡大する取り組みが進んでいます。SMSによる訃報通知は開封率が高く、供花や香典の注文単価も向上する傾向があるとの報告もありました。

家族経営の葬儀社でも、こうしたシステムを導入することで、人的リソースの不足を補いながら、業務の効率化と収益性の向上を同時に実現できます。既存の基幹システムとの連携が可能なサービスも多く、初期費用や運用コストも抑えられる設計となっているため、導入のハードルは低くなっています。

また、オンライン香典や弔電の手数料収入など、これまで見過ごされがちだった収益ポイントを可視化することで、事業の安定性を高めることができます。


3. デジタル終活と遺品整理:新たな相続支援の領域

スマートフォンやインターネットの普及により、故人が残す「デジタル資産」の整理が新たな課題となっています。写真やSNSだけでなく、ネット銀行や電子マネー、仮想通貨などの存在が、相続手続きや家族間のトラブルに影響を与えるケースも増えています。

展示会では、こうしたデジタル遺品を安全に整理・継承するための専門サービスが紹介されており、エンディングノートや生前整理を通じて、心とデータの両方を整える重要性が強調されました。

家族経営の葬儀社にとっては、デジタル終活の啓発活動や情報提供を通じて、地域住民との信頼関係を深めるチャンスです。例えば、終活セミナーの開催やエンディングノートの配布、デジタル資産の整理チェックリストの提供など、身近な取り組みから始めることができます。

また、専門業者との連携によって、紹介料収入や勉強会の開催支援など、ビジネス面でのメリットも期待できます。今後は、相続支援の一環としてデジタル遺品整理が標準化される可能性もあり、早期の対応が差別化につながります。


まとめ:家族経営だからこそできる、地域に根ざした未来戦略

今回の視察を通じて、葬儀業界は「葬儀当日」だけでなく、「その前後」にも価値を提供する時代へと移行していることを実感しました。生活支援、業務効率化、デジタル資産管理といった周辺領域との連携が、葬儀社の新たな可能性を広げています。

家族経営の葬儀社だからこそ、地域とのつながりを活かした柔軟な対応が可能です。小さな取り組みから始めて、顧客との関係性を深め、事業の持続性を高めることが、これからの時代に求められる経営戦略です。

平岡商店では、こうした業界動向を踏まえ、実践的な支援を今後も継続してまいります。ぜひお気軽にご相談ください。