中小企業のAI活用と情報発信術|営業・広報強化の7つの実践ポイント
家族経営でもできる!動画・コメント・WEB改善で「語れる会社」になる方法
中小企業・家族経営でも始められるAI活用と情報発信の方法を、展示会で得た最新事例をもとに丁寧に解説。営業・広報の改善に役立ちます。
はじめに:営業・広報の現場が大きく変わっている
2025年10月、幕張メッセで開催された「営業デジタルマーケティングWEEK」に参加し、営業・広報・マーケティングの最新動向を学びました。
特に印象的だったのは、AI(人工知能)の進化によって、企業の情報発信や顧客との接点の持ち方が大きく変わってきているということです。
中小企業や家族経営の事業者にとっても、専門知識がなくても取り組める実践的なヒントが多く紹介されていました。この記事では、その中から「今すぐできる7つのポイント」を丁寧にご紹介します。
1. 自社の言葉で語ることが、最大の差別化になる
AIが自動で記事を生成する時代になり、誰でも読めるような「まとめ記事」や「三分解説」の価値が下がってきています。
その一方で、現場の空気感や一次情報(=実際に体験したことや自社で得た知見)には、今まで以上に価値が生まれています。
たとえば:
- 社長の想いやこだわり
- 日々の業務で感じたこと
- お客様とのやりとりで得た気づき
こうした「自分たちの言葉」で語る情報は、他社には真似できない強みになります。
2. 動画とコメントで「会社の空気」を伝える
「最近、ホームページのアクセスが減ってきた…」という悩みに対して、登壇者はこう答えていました。
「動画で会社の雰囲気や人柄が伝わると、見てもらえるようになりますよ」
スマートフォンで撮影した短い動画でも、社長のひとことや作業風景を映すだけで、会社の“空気感”が伝わります。
さらに、YouTubeやInstagramなどでコメント欄を開放しておくと、視聴者とのやりとりが生まれ、信頼関係の構築にもつながります。
動画は、文章だけでは伝わりにくい「人柄」や「温度感」を届けるための強力なツールです。
3. AIに選ばれる会社になるためのWEBサイト改善
今や、営業担当に会う前に、顧客の多くがWEBサイトやAIを通じて情報収集を済ませています。
そのため、AIが読み取りやすく、推薦しやすいWEBサイトを整備することが重要です。
改善すべきポイントは以下の通り:
- 商品・サービスの内容を明確に記載する
- 他社との違いを具体的に示す
- 価格や問い合わせ方法をわかりやすく表示する
- 専門性・信頼性を伝える構成にする(→EEAT対策)
📘 EEATとは?
Googleが重視する評価基準で、以下の4つの要素を指します:
Experience(経験)|Expertise(専門性)|Authority(権威)|Trust(信頼)
これらを意識した情報設計が、AIや検索エンジンからの評価を高めます。
4. MAツールで営業活動を自動化する
MA(マーケティング・オートメーション)ツールとは、営業活動を自動で支援してくれる仕組みのことです。
展示会では、以下のような活用例が紹介されていました:
- お役立ち情報を定期的にメールで配信
- 資料を見た人に自動で次の案内を送信
- 興味を持った見込み客を営業担当に通知
最近では「ノーコード」と呼ばれる、専門知識がなくても使えるツールも増えており、家族経営でも導入しやすくなっています。
5. AI導入は「業務の棚卸し」から始めるとうまくいく
「AIを導入したけど、思ったほど効果が出ない…」という声も少なくありません。
その原因の多くは、業務の流れ(プロセス)が整理されていないことにあります。
まずは、業務を棚卸しして:
- どんな作業があるか
- どれくらい時間がかかっているか
- どこが滞っているか
- AIで効率化できそうな部分はどこか
などを数値化してみましょう。
これにより、AI導入の優先順位が明確になり、効果的な活用が可能になります。
6. 楽天市場の事例に見る「AIエージェント時代」の買い物体験
楽天の講演では、AIエージェントによる買い物体験の進化が紹介されていました。
検索して探すのではなく、AIが「あなたに合った商品はこれですよ」と提案してくれる時代が来ています。
企業側に求められるのは:
- 商品情報を網羅的かつ明快に整える
- AIが読み取れるように構造化する
- EEAT要素を意識して信頼性を高める
今後は、「検索される会社」から「AIに推薦される会社」へと、選ばれ方が変わっていくと予想されます。
7. 小さな一歩が、未来の営業成果につながる
展示会を通じて感じたのは、「語れる会社」こそがAI時代に選ばれるということです。
動画、コメント、社内の声、構造化されたWEB情報──これらを少しずつ整えていくだけで、企業の魅力は確実に伝わります。
中小企業や家族経営でも、無理なく始められる情報発信の手法はたくさんあります。
まずは「社長のひとこと」や「現場の写真」からでも構いません。
小さな一歩が、未来の営業成果につながる時代です。

