「お金」の基本3原則

「資金繰りがいつもギリギリ」「利益が残らない」「経理が不安」——そんな悩みを抱える家族経営者、小規模事業主の方へ。 本記事では、事業を安定させるために知っておきたい『お金の基本3原則』をわかりやすく解説します。

このコラムは、資金調達や補助金といったテクニックではなく、日々の商いを継続するための「考え方」と「基礎知識」に焦点を当てています。 キャッシュフローの見える化、経費管理のコツ、信用取引との向き合い方など、実践的なヒントをお届けします。

家族経営に共通する「お金」の3つの特徴とは?


家族経営や個人事業は、大企業や一般的な中小企業とは異なる資金の流れを持っています。 私はこれを「お金の基本3原則」として整理しています。以下、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

① お金がすぐに減っていく


家族経営では「お金があっという間になくなる」と感じる方が多いのではないでしょうか。 その理由は明快で、扱う資金の規模が小さいからです。

たとえば、月商100万円の事業で家賃20万円、人件費30万円、仕入れ30万円がかかれば、残るのは20万円。 そこから税金や返済があれば、手元資金はすぐに底をつきます。

これは経営能力の問題ではなく、家族経営というスタイルに起因する構造的な課題です。 だからこそ、日々の資金繰りを「見える化」し、先を読んだ管理が必要になります。

② どんぶり勘定は当たり前


家族経営では、事業と生活のお金が混在しているケースが非常に多く見られます。 帳簿を細かくつける余裕がなく、現場優先で経理が後回しになるのは珍しくありません。

「どんぶり勘定=悪」と思われがちですが、実はそうとも限りません。 重要なのは、「曖昧に管理すること」ではなく、「お金の流れを大まかでも把握していること」です。

たとえば、毎月の売上・支出・残高をざっくりでも記録していれば、資金繰りの予測が可能になります。 ビジネスストレングスコーチングでも、状況に応じて柔軟な管理スタイルを認めています。

③ 借りて回しているのが実態


多くの家族経営では、実質的に「借りて回している」状態が日常です。 これは銀行融資だけでなく、仕入れや人件費、家賃などの支払いサイクルにも当てはまります。

たとえば「月末締め・翌月払い」の取引は、短期の信用借入と同じ働きをしています。 つまり、商いとは「世間からお金を借りながら事業を回す行為」と言い換えることもできます。

年商1億円でも、実際に残る利益は数百万円。そこから返済や諸経費を差し引けば、手元資金はさらにわずかです。 だからこそ、資金の「回し方」そのものが経営の生命線になります。

借りて回す技術が家族経営の生命線


ここまで紹介した3つの特徴を踏まえると、家族経営に必要なのは「借りて回す技術」です。 これは単なる資金調達テクニックではなく、信頼関係と数字感覚に基づく経営力です。

たとえば、仕入先との支払いタイミングを交渉したり、従業員への給与支払いを調整したり、銀行との融資相談を早めに行うなど、 資金繰りの工夫は「誰から、いつ、どうやって借りるか」を見極める力にかかっています。

この力は、短期的な対応ではなく、中長期的な信頼構築によって育まれます。 数字に強くなることも大切ですが、まずは「お金の流れを見える化する習慣」を持つことが第一歩です。

まとめ|小さな商いに必要な「お金の見方」


家族経営や小規模事業では、資金繰りの悩みがつきものです。 しかし、「お金がすぐ減る」「どんぶり勘定になる」「借りて回すのが当たり前」という現実を正しく理解すれば、 その悩みは「見通し」へと変えることができます。

まずは、日々の収支を記録すること。 次に、支払いサイクルを把握し、予測すること。 そして、信頼関係を築きながら、資金の流れを整えること。

この3つの原則を意識するだけで、資金繰りの不安は大きく軽減されます。 次回のコラムでは、「借りて回す技術」をさらに深掘りし、具体的な方法をご紹介します。 ぜひ引き続きご覧ください。

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