売上はある。
仕事もある。
でも、なぜかお金が残らない。

そんな不安を感じることはありませんか。

小さな会社では、利益が出ているかどうかだけでなく、
「いつお金が入り、いつお金が出て、最後にいくら残るのか」
が見えにくくなると、経営の不安が大きくなります。

難しい財務分析をする前に、まずは1か月のお金の流れを、
「はいる」「でる」「のこる」
の3つに分けて整理してみましょう。

このページでは、平岡商店式のやさしい日繰り表テンプレートとして、
「る・る・る」で整理する、お金の流れ見える化シート
をご紹介します。


「日繰り表」と聞くと、むずかしく感じるかもしれません

日繰り表という言葉を聞くと、

「毎日きちんと書かないといけない」
「経理が得意でないと作れない」
「数字が苦手だから続かなさそう」

と感じる方もいるかもしれません。

でも、最初から完璧に作る必要はありません。

大切なのは、細かく正確な表を作ることよりも、
お金の流れを、自分の目で見えるようにすることです。

そのために、まずは次の3つだけを見ていきます。

  • はいる:入金・売上・回収
  • でる:支払い・仕入・返済
  • のこる:次に使えるお金

この3つに分けるだけでも、会社のお金の状態はかなり整理しやすくなります。


「はいる・でる・のこる」で見ると、お金の流れがわかりやすくなる

会社のお金は、ただ増えたり減ったりしているわけではありません。

売上の入金がある。
仕入の支払いがある。
給料や家賃の支払いがある。
借入の返済がある。
売掛金が回収される。

こうした動きが重なって、通帳の残高は毎月変わっていきます。

ところが、頭の中だけで考えていると、

「なぜお金が減ったのか」
「いつ苦しくなるのか」
「来月の残高は大丈夫なのか」

が分かりにくくなります。

そこで使うのが、
前回の「のこる」+「はいる」−「でる」=今回の「のこる」
という考え方です。

たとえば、前月末に100万円残っていたとします。

そこに10万円が入り、30万円が出れば、
次に残るお金は80万円です。

このように、1つずつ書いていくと、
通帳の残高が「なんとなく増えた・減った」ではなく、
なぜ増えたのか、なぜ減ったのか
が見えるようになります。


平岡商店式「お金の流れ見える化シート」の使い方

このシートは、難しい資金繰り表ではありません。

まずは、1か月のお金を
はいる・でる・のこる
の3つに分けて書き出すための、やさしい整理シートです。

5日ごとでも、10日ごとでも、日別でもかまいません。
会社の状況に合わせて、使いやすい形にアレンジしてください。

使い方は3ステップです

1. 前月末に残っていたお金を書く

まず、前月末の通帳残高や手元資金を確認します。

これが最初の「のこる」です。

最初の数字が分かると、そこから先のお金の流れを追いやすくなります。

2. 期間ごとの「はいる」と「でる」を書く

次に、1か月をいくつかの期間に分けます。

たとえば、

  • 1〜10日
  • 11〜20日
  • 21日〜月末

のように分けてもよいです。

その期間に入る予定のお金を「はいる」に書きます。

たとえば、

  • 現金売上
  • 売掛入金
  • その他入金

などです。

同じように、その期間に出ていく予定のお金を「でる」に書きます。

たとえば、

  • 仕入支払
  • 給料
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 借入返済

などです。

3. 「のこる」を計算する

最後に、次の式で「のこる」を出します。

前回の「のこる」+「はいる」−「でる」=今回の「のこる」

この数字が、次に使えるお金の目安になります。

来月の残高が少しでも見えるようになると、
「何となく不安」という状態から、
「どこを確認すればよいか分かる」状態に変わっていきます。


毎日つけられなくても大丈夫です

日繰り表という名前から、毎日きっちり書くものだと思われがちです。

もちろん、毎日確認できれば理想的です。

でも、最初から完璧を目指す必要はありません。

まずは、

  • 5日ごと
  • 10日ごと
  • 支払いが多い日だけ
  • 入金予定がある日だけ

でも大丈夫です。

大切なのは、続けることです。

きれいな表を作ることよりも、
お金の流れを自分で説明できるようになること
を目指しましょう。


このシートで見えてくること

このシートを使うと、次のようなことが見えやすくなります。

1. お金が減る理由が見える

通帳の残高が減っていると、不安になります。

でも、何に使ったのかが見えると、必要以上に怖がらなくて済みます。

仕入で減ったのか。
返済で減ったのか。
給料で減ったのか。
入金が遅れているのか。

理由が分かるだけでも、次の判断がしやすくなります。

2. 苦しくなる時期が見える

小さな会社では、売上があるのにお金が苦しくなることがあります。

その理由のひとつは、
入金より先に支払いが来ること
です。

売上が立っていても、入金が来月なら、今月の支払いには使えません。

このシートで時期を分けて見ると、
「いつお金が足りなくなりそうか」
が早めに分かります。

3. 相談しやすくなる

金融機関や税理士、支援者に相談するときも、
お金の流れが見えていると話がしやすくなります。

「何となく苦しい」ではなく、

「この時期に支払いが重なります」
「この入金が遅れると残高が足りなくなります」
「ここを先に確認したいです」

と説明できるようになります。

これは、小さな会社にとって大きな安心材料になります。


「売上はあるのに不安」なときこそ、まず流れを見る

売上がないから不安になる。
それは分かりやすい状態です。

でも実際には、売上があっても不安な会社はたくさんあります。

仕事はある。
注文もある。
忙しく動いている。

それでも不安が消えない。

その背景には、
会社のお金の流れが見えにくくなっている
ことがあります。

売上だけを見ても、会社の安心感は分かりません。

入金の時期。
支払いの時期。
借入返済。
仕入。
給料。
手元に残るお金。

これらを一緒に見ることで、はじめて会社の状態が少しずつ見えてきます。


まずは1か月だけ書いてみてください

最初から長く続けようとしなくても大丈夫です。

まずは1か月だけ、
「はいる」「でる」「のこる」
を書いてみてください。

通帳を見ながらでもかまいません。
予定表を見ながらでもかまいません。
紙に手書きでも、Excelでもかまいません。

大切なのは、
お金の流れを頭の中だけで抱え込まないこと
です。

紙に書き出すだけで、見えるものがあります。

見えるようになると、
不安は少しずつ、判断に変わっていきます。


お金の流れを見ても、まだ不安が残るときは

お金の流れを書き出しても、

「どこから直せばよいか分からない」
「在庫や仕入も関係していそう」
「社長だけで抱えていて、家族や後継者と共有できていない」
「数字を見ても、次の一手が決められない」

ということもあります。

その場合は、お金だけでなく、会社全体の状態を見てみることも大切です。

平岡商店では、小さな会社・家族経営向けに、
会社の状態を整理するためのカンタン経営診断をご用意しています。

お金の流れ、現場の流れ、後継者との共有、経営判断のしやすさなど、
今の会社の状態を見直すきっかけとしてご活用ください。


まとめ

お金の不安をなくすために、最初から難しい経営理論は必要ありません。

まずは、

はいる
でる
のこる

この3つに分けて、1か月のお金の流れを書き出してみる。

それだけでも、会社のお金は見えやすくなります。

売上はあるのに不安。
忙しいのにお金が残らない。
通帳を見ても安心できない。

そんなときは、まず
「る・る・る」で整理する、お金の流れ見える化シート
から始めてみてください。

会社のお金の流れが見えてくると、
経営の不安は、少しずつ判断に変わっていきます。

ここまで読んで「まず書いてみよう」と思った方は、下のPDFをご活用ください。

1か月のお金の流れを「はいる」「でる」「のこる」に分けて整理できる、平岡商店式の見える化シートです。印刷して手書きでも使えます。

「はいる・でる・のこる」シートをPDFで見る・印刷する