
執筆:平岡誠司(平岡商店)|家族経営の経営支援・DX伴走
投稿日:2025年11月2日
10月の終わりに、幕張メッセで開催された大規模なDX展示会に参加してきました。
AI、データ分析、業務自動化、経理システム、営業支援──最新のテクノロジーが一堂に集まり、まるで未来の働き方を先取りしたような空気でした。
私は会場を歩きながら、こう思いました。
この流れの中で、家族経営はどうやって“自分たちらしいDX”を進めればいいのか?
目次
AIもDXも、“目的”を見失わないことが大事
どのブースでも「AIが効率を上げる」「DXで業務を自動化できる」といった言葉が飛び交っていました。
確かに便利な時代です。でも、目的が曖昧なまま導入してもうまくいかない。
DXの本質は「デジタル化」ではなく、自分たちの仕事を見直すこと。
つまり「なぜこの仕事をしているのか」という目的(パーパス)を見つめ直すことです。
ある講演では「現場哲学」や「妥協しないサービス姿勢」という言葉がありました。
それはAIやシステムでは代替できません。
人が人に向き合う価値をどう残すか──そこにこそ、家族経営の強みがあると感じました。
「業務棚卸」が、すべてのDXの入り口
展示会では、AI検索や自動見積、チャット接客など、まるで魔法のような仕組みが紹介されていました。
けれど本当に大切なのは、今の仕事を正しく見える化することです。
- 誰が、どの順番で、何をしているか?
- どこにムダや重複があるか?
- そもそも目的を果たしているか?
こうした「業務棚卸」は、AI導入の前に欠かせません。
紙でもエクセルでも構いません。
現場を見て、流れを描き出すことがDXの第一歩です。
家族経営には、家族経営の“強さ”がある
AI導入やシステム化というと「大企業の話」と思われがちですが、家族経営だからこそできるスピード感があります。
- 意思決定が早い
- 顧客との距離が近い
- 現場の声がすぐ届く
この小回りの良さは、AI時代の大きな武器です。
ただし、その分「言いにくいこと」「遠慮してしまうこと」も出てきます。
だからこそ、現場の“声なき声”を聴く傾聴力が求められます。
DXとはシステムの話ではなく、関係性を整えることでもあるのです。
「経理×DX」は、最も実感しやすい分野
展示会の中でも印象的だったのが「経営管理のDX」。多くの企業が「数字を集めるだけ」で止まっていました。
家族経営でも、経理の仕組みを少し整えるだけで大きく変わります。
- 売上・経費・粗利を同じフォーマットで毎月集計
- 資金繰り予定を1枚にまとめる
- クラウド会計やAI仕訳を“補助的に”使う
この「共通の見える表」があるだけで、会話の質が変わります。
感覚ではなく、数字で話せる経営へ──これも立派なDXです。
“小さく始めるAI”が、結局いちばん続く
生成AIを営業や経理に使う事例も多く紹介されていました。
その中で共通していたのは、「最初は小さく始める」こと。
- 商談の議事録をAIにまとめてもらう
- 提案書や見積書のドラフトをAIに作らせる
- 社内マニュアルをAIで要約する
これくらいの規模なら、費用もリスクもほとんどありません。
「やってみる → 成果が出る → 周りも使い始める」──この流れが自然なDXの形です。
DXは「人」を中心に置いた経営改革
どんなにAIが進化しても、最終的に成果を生むのは人の理解力と関係性です。
家族経営では、日々の現場の声が一番の情報源。AIもDXも、それを活かすための手段にすぎません。
ブームや補助金に流されず、自社の現場に合うかどうかを見極める力が大切です。
小さく導入し、小さく改善し、確実に成果を積み上げる。
それが、家族経営の持続的な成長につながります。
モヤモヤをワクワクに変えるDXを
DXという言葉には難しい印象がありますが、本質はシンプルです。
今ある仕事を、もっとラクに、もっと良くすること。
家族だからこそできる改善があります。少人数だからこそ早く動けます。
平岡商店は、そんな“やさしいDX”を応援しています。
AIやデジタルの力を借りながら、経営のモヤモヤをワクワクに変える。
その第一歩を、ぜひ一緒に踏み出しましょう。
この記事のまとめ
- DXは「目的」から始める
- 業務棚卸はAI導入の第一歩
- 家族経営にはスピードと柔軟性という強みがある
- 経理の見える化がDX成功の鍵
- AIは小さく始め、成果を積み上げる
家族経営のためのDX、どこから始める?
業務棚卸・経理の見える化・AI活用支援など、平岡商店が伴走します。

