売れてるのにお金が残らない/衣料品製造販売業の利益改善
支援内容
- 損益実態・経営構造分析
- 部門別損益分岐点分析
- 原価管理導入支援
- 資金繰り改善支援
- 販売管理・予算管理手法の助言
- SCM・債権管理体制に関する助言
ご相談の背景
衣料品の企画・製造・販売を行う企業様からのご相談でした。創業以来、優れた商品企画力とブランディング力を武器に順調に販路を拡大。大手量販店との取引も始まり、全国規模で事業が成長していました。
一方で、「売上は伸びているのに、なぜかお金が残らない」という悩みを抱えておられました。
利益は出ているように見える。仕事も増えている。しかし、常に資金繰りに追われている感覚がある。創業四年目を迎え、今後さらに取引規模が拡大していく中で、
- 利益構造
- 原価管理
- 資金管理
- 販売管理
を見直したいとのことでご相談をいただきました。
成長企業ほど“お金の流れ”が見えにくくなる
同社の経営者は非常に優秀な方でした。商品力、販路開拓力、プロモーション力に優れ、創業から短期間で全国的な販路を築かれていました。また、税理士やコンサルタントの助言も積極的に取り入れ、改善意識も非常に高い経営者でした。しかし、事業が成長するにつれて、会社のお金の流れが急激に複雑化していました。特に大きかったのは、販売チャネルの多角化です。
- 大手卸売
- 量販店取引
- 倉庫納品
- 直送対応
- ネット直販
など、販路が広がることで、
- 流通在庫
- 立替資金
- 売掛債権
- 回収サイト差
- 物流コスト
が増加し、売上増加と同時に必要運転資金も大きく膨らんでいました。小さな会社では、「売れればお金が増える」感覚を持ちやすい一方で、実際には成長期ほど資金需要が増加します。特に製造業やアパレル業では、
“売上増加=資金負担増加”
となるケースも少なくありません。
試算表だけでは見えない経営実態
同社では決算書上、一定の利益は確保されていました。しかし、銀行側から見ると、「なぜ利益が出ているのに資金が不足するのか」が分かりにくい状態でもありました。実際には、
- 在庫増加
- 売掛金増加
- チャネル別粗利差
- 立替物流費
- 商流変化
など、成長局面特有の運転資金増加が背景にありました。この状況に対して、「原価管理や資金構造を一度整理した方がよい」と助言された金融機関担当者の判断は非常に的確だったと思います。
“会社の身体を知る”ことから始める
支援ではまず、
- 損益実態の把握
- 部門別損益分岐点分析
- 原価構造分析
- キャッシュフロー確認
などを行い、「会社のどこで利益が生まれ、どこで資金が必要になるのか」を整理しました。また通常の損益計算書や貸借対照表だけでは見えにくい、
- 活動管理基準
- 販売管理基準
- チャネル別管理
による実態把握方法についても助言を行いました。経営改善では、「利益を増やす」以前に、“自社の身体を正しく知る”ことが非常に重要です。二回目、三回目の支援では、進捗確認と精緻化を行いながら、
- 原価管理
- 予算管理
- SCM
- 債権管理
- 資金計画
などについて具体的な改善提案を行いました。
支援を振り返って
短期間の支援ではありましたが、経営者ご自身が自社の収支構造や資金構造を深く理解され、今後必要となる管理体制についても明確な方向性を持たれたことが非常に印象的でした。
成長企業では、
- 売上拡大
- 人員増加
- 取引先拡大
に目が向きやすい一方で、「資金がどう動くか」を把握しきれなくなることがあります。特に創業期から成長期へ移行するタイミングでは、“どれだけ売れるか”だけでなく、“どれだけ資金が必要になるか”を理解することが重要です。同社は現在も、金融機関への丁寧な業績報告や財務管理を継続されており、堅実で誠実な経営姿勢が強く印象に残っています。今後のさらなる発展が非常に楽しみな企業様です。


