売上増でも資金繰りが不安?freeeで実現するリアルタイム経営への支援事例
売上は伸びている。
お客様も増えている。
新しい事業にも取り組んでいる。
それなのに、なぜかいつも資金繰りが不安。
通帳は毎日見ているのに、会社全体のお金の流れが分からない。
銀行から資金調達をしても、またすぐに資金が足りなくなる。
試算表は遅れ、経営者が正しい数字を見て判断できない。
こうした悩みは、急成長している小規模事業者ほど起こりやすいものです。
今回ご紹介するのは、家族経営で複数事業を展開する小規模事業者の支援事例です。
freeeの導入をきっかけに、業務とお金の流れを整理し、経理未経験のスタッフに伴走しながら、日々の経理と月次処理を自分たちで回せる状態を作りました。
その結果、通帳を見ながら資金繰りに追われる状態から、数字を見ながら会社の状態を把握し、次の判断ができる「リアルタイム経営」へ近づいていきました。
■本支援事例の概要
・支援対象:複数事業(小売・飲食・運送)を展開する家族経営の小規模事業者
・抱えていた課題:売上増に伴う資金繰りの不透明さ、経理未経験スタッフの業務過多、試算表の遅れ
・実施した解決策:業務・資金フローの整理、クラウド会計「freee会計」の導入、伴走型運用支援
・支援後の成果:1年でリアルタイム経理の定着、2年で業績・資金予測に基づく経営判断の実現、資金調達の成功
売上は伸びているのに、資金繰りが苦しい
ご相談いただいたのは、家族経営の小規模事業者でした。
小売、飲食、運送関連など、複数の事業を多角的に展開していました。
事業は伸びていました。
売上も上がっていました。
新しい展開もあり、会社としては成長している状態でした。
しかし、その一方で、経理や経営管理が追いつかなくなっていました。
経営者ご夫婦は現場での仕事が中心です。
社内に管理部門を任せられる専門人材がいるわけではありません。
事務や経理の経験がないスタッフが、日々の業務を一生懸命支えていました。
通帳の確認、伝票整理、支払い、入金確認、労務、経理処理など、慣れない仕事に追われていました。
誰かが手を抜いていたわけではありません。
むしろ、皆さん一生懸命でした。
しかし、事業の拡大スピードに対して、経理や管理の仕組みが追いついていなかったのです。
通帳を見ても、会社全体のお金の流れが見えない
この会社では、個人事業として始まった事業に加え、後から法人も立ち上げていました。
そのため、個人事業と法人のお金の流れが入り組んでいました。
さらに、複数の事業を展開していたため、通帳の数も増えていました。
決済方法も、現金、振込、口座引落、電子決済など、多様化していました。
売上はどこに入るのか。
支払いはどこから出るのか。
どの部門にどれだけお金が残っているのか。
個人事業と法人の間で、どのようなお金の出入りがあるのか。
こうした流れが複雑になり、経営者が会社全体のお金の動きを把握することが難しくなっていました。
経営者は、毎日のように部門ごとの通帳を確認していました。
しかし、通帳の残高を見ているだけでは、会社の本当の状態は分かりません。
売上は伸びているのに、なぜ資金が足りないのか。
どの部門が利益を出しているのか。
どこにお金が詰まっているのか。
これからいくら資金が必要になるのか。
そこが見えないまま、日々の資金繰りに追われている状態でした。
試算表が遅れると、経営判断も遅れる
経理処理も遅れ気味でした。
試算表が数か月遅れることもありました。
もちろん、試算表が遅れること自体も問題です。
しかし、本当に困るのは、その先です。
試算表が遅れると、経営者は今の会社の状態を数字で確認できません。
利益が出ているのか、資金が足りているのか、どの事業に力を入れるべきなのか、判断が遅れてしまいます。
また、金融機関に会社の状況を説明する際にも、正しい数字が必要になります。
事業が伸びている会社ほど、運転資金や成長投資のために資金調達が必要になります。
しかし、数字が整理されていないと、金融機関に対しても会社の実態を十分に説明できません。
つまり、経理の遅れは単なる事務作業の遅れではありません。
経営判断、資金繰り、銀行対応、成長投資にまで影響する問題なのです。
freeeを入れる前に行った「業務とお金の整理」
支援では、freeeを導入しました。
ただし、最初に行ったのは、ソフトの設定ではありません。
まず確認したのは、業務の流れとお金の流れです。
どの事業で売上が発生するのか。
その売上は、どの通帳に入るのか。
どの決済手段を通るのか。
証票はどこに残るのか。
仕入、在庫、売掛金、買掛金、支払いはどのように動いているのか。
それらが、どのように会計につながるのか。
こうした流れを一つずつ確認していきました。
クラウド会計は便利です。
しかし、現場のお金の流れが整理されていないまま導入しても、うまく活かすことはできません。
freeeを使うことが目的ではありません。
freeeを使って、会社のお金の流れを見えるようにし、経営判断に使える数字を作ることが目的です。
そのためには、導入前の整理と設計がとても重要になります。
あえてデジタル化しない部分も決める
支援で大切にしたのは、すべてを一気にデジタル化しないことです。
現場の仕事には、その会社ならではの段取りがあります。
一見すると非効率に見える作業でも、現場にとっては意味がある場合があります。
特に、小規模事業者では、経営者やスタッフの動き、取引先との関係、日々の確認作業が、会社の強みになっていることもあります。
それを無視して、何でもシステムに合わせようとすると、かえって現場が混乱します。
そこで、業務監査と設計を行いながら、デジタル化する部分と、あえて現場の運用を残す部分を分けていきました。
freeeに集約する部分。
販売管理システムで整理する部分。
紙や現場確認を残した方がよい部分。
スタッフの習熟度に合わせて段階的に進める部分。
こうした判断を一つずつ行いながら、無理なく使い続けられる形に整えていきました。
経理未経験者でも回せる仕組みにする
この会社では、経理の専門人材がいたわけではありません。
日々の経理を担うのは、もともと事務や経理の経験がなかったスタッフでした。
だからこそ、単に「この通りに入力してください」と伝えるだけでは不十分です。
なぜこの作業が必要なのか。
この入力は、どの数字につながるのか。
この確認を怠ると、どこでズレが起きるのか。
この数字を、経営者は何の判断に使うのか。
実際の業務を一緒に確認しながら、繰り返し伝えていきました。
経理未経験者に、いきなり簿記や会計の専門知識を求めるのは現実的ではありません。
必要なのは、日々の作業の意味を理解し、間違いに気づけるようになることです。
誰でも間違えることはあります。
大切なのは、間違えない人を探すことではなく、間違いに気づける仕組みを作ることです。
安心して確認できる環境を作り、分からないことを相談できる状態にする。
そのうえで、少しずつ自分たちで処理できる範囲を広げていきました。
販売管理と会計をつなげ、数字の意味を見えるようにする
経理を整えるうえでは、会計だけを見ていても不十分です。
売上、仕入、在庫、売掛金、買掛金。
これらは、日々の事業活動そのものです。
販売管理の運用も見直し、売上や仕入の情報が、会計の数字とつながるように整理していきました。
たとえば、売上が上がっていても、入金が遅れれば資金繰りは苦しくなります。
仕入が増えれば、在庫や支払いも増えます。
売掛金や買掛金の管理が曖昧になれば、利益が出ているように見えても、お金は残りません。
こうした動きを、経営者やスタッフが数字で確認できるようにすることが重要でした。
日々の入力は、単なる作業ではありません。
資金繰り、利益、在庫、銀行対応、投資判断につながる情報です。
そのことを理解できるようになると、経理担当者の仕事の意味も変わります。
ただ処理する仕事から、会社の状態を支える仕事に変わっていきます。
通帳を見る経営から、数字を見ながら話す経営へ
支援前は、経営者が通帳を見ながら資金繰りを確認していました。
もちろん、通帳を見ることは大切です。
しかし、通帳だけでは経営の全体像は見えません。
なぜ資金が足りないのか。
どの事業が利益を出しているのか。
どの支払いが資金繰りを圧迫しているのか。
来月、再来月にどのくらいのお金が必要になるのか。
こうしたことを確認するには、会計、販売管理、資金繰りの数字をつなげて見る必要があります。
freeeの導入と運用支援により、月次試算表、部門別損益、業績予想、資金繰り予想を確認できるようになりました。
その結果、経営者は通帳の残高だけを見るのではなく、数字を見ながら会社の状態を把握し、次の判断について話し合えるようになりました。
「今いくらあるか」だけではなく、
「なぜこうなっているのか」
「これからどうなるのか」
「どこを改善すべきか」
を話せる状態に変わっていったのです。
銀行との対話にも、整理された数字が必要
急速に事業が拡大すると、資金需要も大きくなります。
売上が伸びるほど、仕入、人件費、在庫、設備、運転資金が必要になることがあります。
この会社でも、成長に伴う資金調達が必要でした。
金融機関との対話では、決算書の数字だけでなく、実際の事業の流れや資金の流れを説明することが重要になります。
個人事業と法人が入り組んでいる場合は、なおさら丁寧な説明が必要です。
数字だけを見ても、会社の実態が伝わりにくいことがあるからです。
支援では、決算書の内容、実際の業務の流れ、資金の動きを整理し、金融機関に説明できる状態を作りました。
その結果、当座貸越や証書借入による資金調達にもつながり、運転資金や成長投資に活用することができました。
経理を整えることは、銀行対応を整えることにもつながります。
数字が見えるようになると、会社の状況を説明しやすくなり、必要な資金調達の準備もしやすくなります。
1年でリアルタイム経理、2年でリアルタイム経営へ
2024年6月からちょうど二年後の2026年5月までの支援の結果、経理未経験のスタッフだけでも、日常経理を自分たちで回せるようになりました。
月次試算表も早期に作成できるようになり、資金繰りや業績推移をリアルタイムに近い形で把握できるようになりました。
複数あった通帳や入出金経路も整理され、混乱していた経理業務は大きく改善しました。
最初から完璧だったわけではありません。
一つずつ確認し、間違いを直し、業務の意味を理解しながら、少しずつ精度を高めていきました。
その積み重ねによって、1年でリアルタイム経理に近づき、2年でリアルタイム経営に近い状態へ進むことができました。
ここでいうリアルタイム経営とは、毎日すべての数字が完璧にそろうという意味ではありません。
経営者が、今の会社の状態を早く把握できる。
資金繰りの見通しを確認できる。
業績の変化に気づける。
数字を見ながら、次の判断について話せる。
そうした状態を作ることです。
freeeは、使い続けられる形にしてこそ活きる
freee会計は、とても便利な仕組みです。
銀行口座やクレジットカード、各種取引データと連携でき、経理業務の効率化に役立ちます。
しかし、導入すれば自動的に経理が整うわけではありません。
大切なのは、会社ごとの業務の流れに合わせて設計することです。
そして、実際に使う人が、無理なく続けられる形に整えることです。
特に、経理未経験者が担当する場合は、最初の設計と導入後の伴走支援が重要になります。
どの作業を誰が行うのか。
どこで確認するのか。
どの数字を経営者が見るのか。
間違いが起きたとき、どう気づくのか。
月次をどのタイミングで締めるのか。
こうした運用まで整えて初めて、freeeは経営に活きる道具になります。
経理は、記録作業ではなく経営を支える仕組み
経理というと、領収書を整理し、伝票を入力し、試算表を作る作業だと思われがちです。
もちろん、それも大切です。
しかし、経理の本当の役割は、それだけではありません。
会社のお金の流れを見えるようにすること。
利益や資金繰りの変化に気づけるようにすること。
経営者が次の判断をするための材料を作ること。
これが、経理の大切な役割です。
経理未経験者であっても、日々の作業の意味を理解し、数字を整えられるようになれば、会社の経営を支える存在になります。
今回の支援でも、経理担当者は単なる入力担当ではなく、会社の数字を支える役割へと変わっていきました。
数字を見ながら会話ができるようになる。
現場の小さな変化に気づけるようになる。
資金繰りや業績について、経営者と話せるようになる。
その変化が、リアルタイム経営を支える土台になります。
こんな状態に心当たりはありませんか?
次のような状態がある場合、経理や資金繰りの仕組みを見直すタイミングかもしれません。
- 売上は伸びているのに、いつも資金繰りが苦しい
- 通帳を毎日見ているが、会社全体のお金の流れが分からない
- 試算表が数か月遅れている
- freee会計を導入したが、思ったように使いこなせていない
- 個人事業と法人のお金の流れが入り組んでいる
- 複数の通帳や決済手段があり、管理が複雑になっている
- 経理担当者が未経験で、何から教えればよいか分からない
- 売上、仕入、在庫、売掛金、買掛金のつながりが見えにくい
- 銀行に会社の状況を説明するのが難しい
- 経営者が数字を見て判断できる状態にしたい
こうした問題は、経理担当者だけの問題ではありません。
会社の業務、お金、会計、経営判断の流れを整える必要があります。
家族経営のfreee会計導入に関するよくある質問(FAQ)
Q:経理の経験が全くないスタッフでもfreee会計を使いこなせますか?
A:はい、十分に可能です。本事例でも未経験のスタッフが担当されましたが、簿記の知識を詰め込むのではなく、「日々の入力がどの数字(資金繰りや利益)につながるか」という意味を理解してもらう伴走支援を行うことで、1年で日常経理を自立化できました。
Q:クラウド会計を導入すれば、すぐに資金繰りは改善しますか?
A:システムを入れるだけでは改善しません。導入前に、複数ある通帳や決済ルート、個人と法人の資金移動などの「お金と業務の流れ」をあらかじめ整理・設計することが不可欠です。
平岡商店の支援について
平岡商店では、freee会計の導入支援だけでなく、経営者と現場に伴走しながら、数字を見て判断できる状態づくりを支援しています。
業務の流れを確認し、
お金の流れを整理し、
freee会計を使い続けられる形に設計し、
経理未経験者でも月次を回せるように支援する。
そのうえで、経営者が数字を見ながら資金繰り、利益、投資判断、銀行対応について考えられる状態を目指します。
経理は、単なる記録作業ではありません。
会社の未来を判断するための土台です。
売上は伸びているのに資金繰りが不安。
freee会計を導入したが、うまく活かしきれていない。
経理未経験者に任せているが、どう育てればよいか分からない。
そのようなお悩みがある方は、まずは自社の状態を確認するところから始めてみてください。
まずはカンタン経営診断で、自社の状態を確認してみませんか
資金繰りの不安や経理の混乱は、早めに見える化することが大切です。
平岡商店では、会社の状態を確認するための「カンタン経営診断」をご用意しています。
今の会社のお金の流れは見えているか。
月次の数字は経営判断に使えているか。
経理担当者だけに負担が偏っていないか。
経営者が数字を見て、次の一手を考えられる状態になっているか。
まずは、現在の状態を確認してみてください。
カンタン経営診断はこちら
https://cw-bsc.com/diagnosis/
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