「もう廃業かも」からの再建ー食品通販業
― 売上急減と資金不安。“何が問題なのか分からない”状態から整理を進めた伴走支援 ―
ご支援の背景
小売業を中心に、複数事業を展開されていたご夫婦経営の会社様からのご相談でした。本業は一定の売上を維持していましたが、収益を支えていたネット販売事業で突然大きな変化が起きます。
大手参入による競争激化。
さらに、主力販売サイトとの取引停止。
それまで順調だった売上が急激に低下し、資金繰りが一気に悪化しました。さらにその時期、お子様の教育費負担も重なっていました。
「子どもの将来のためだから」
そう考え、教育資金を自己資金中心で賄っていたことで、法人・個人を含めた全体収支バランスが徐々に崩れていたのです。しかし、ご本人たちには何が問題なのか分からない。
試算表を見ても分からない。
販売データを見ても分からない。
毎日必死に働いているのに、お金だけが減っていく。
不安だけが大きくなり、「もうやめた方がいいのではないか」というところまで追い込まれていました。
「本当に危ないのか」を整理する
最初に行ったのは、“感覚”ではなく“実態”を整理することでした。
財務資料。
販売データ。
借入状況。
資金繰り。
そして、ご夫婦それぞれのお話。一つずつ整理していくと、「確かに厳しい。しかし、まだやれることはある」という状況が見えてきました。問題は単純な赤字ではありませんでした。
- 売上急減による心理的不安
- 法人と個人のお金の混在
- 教育費負担
- 固定支出の増加
- “以前の好調時”を前提にした資金感覚
こうした複数要因が重なり、資金の流れが見えなくなっていたのです。
「資金には色がある」を整理する
支援では、
- 当面の資金ショートリスク確認
- 日繰表導入
- 事業別損益整理
- 償還年数分析
- 経費見直し
- 法人・個人収支分離
などを進めました。特に重要だったのは、「教育投資は悪ではない」という整理でした。問題は教育費そのものではなく、“本来は長期で考えるべき支出を、短期資金で回していた”ことにありました。
- 運転資金
- 設備資金
- 生活資金
- 教育資金
資金にはそれぞれ役割があります。そこを整理し直したことで、ご夫婦自身も少しずつ冷静さを取り戻していかれました。
「まだやれる」が見えた瞬間
実際に整理してみると、
- 主力事業は一定収益を維持
- 他事業も安定収益あり
- ネット販売も“以前が良すぎただけ”で、現状でも黒字余地あり
ということが分かってきました。つまり、「すべてが崩壊していたわけではない」のです。そこで、
- 資金調達支援
- 支出構造見直し
- 中長期返済計画
- 役員報酬調整
- 資金繰り管理
を再設計。すると、「何が危険で、何なら大丈夫なのか」が整理され、経営者ご自身が前向きに動き始めました。最後には、「もう廃業しかないと思っていたけど、ちゃんと整理すると違うんですね」という言葉もいただきました。
支援の結果
- 資金ショート回避
- 教育資金調達
- 個人・法人収支改善
- 日繰表運用定着
- 事業別損益管理導入
- 中長期返済計画策定
- 償還年数を踏まえた経営目標設定
小さな会社では、「不安」が先に大きくなり、本当の問題が見えなくなることがあります。平岡商店では、数字だけではなく、経営者ご家族の状況や感情面も踏まえながら、現実的な経営改善を伴走型でご支援しています。

